大学院歯学研究科の教育カリキュラムは、歯学に関する学術の理論および応用を研究し、その深奥を窮めて広く人類の厚生福祉ならびに文化の進展に寄与することを目的としており、各人が主体的に専攻分野に関しての研究を指導する能力を養える内容となっています。
専攻別学科目
博士課程(歯学専攻)修業年限4年
学科目(分野) | 主な研究内容 |
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クリニカルクラークシップ開発学 |
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総合診療学 |
・医療行動に関する研究 |
口腔保存治療学 | ・歯・根尖歯周組織の病態と再生 ・新しい歯内治療法の開発 ・生体材料 ・歯学教育システム |
歯周病学 |
・歯周基本治療に対する患者の応答性 |
顎口腔欠損再構築学 |
・閉塞型睡眠時無呼吸症候群の口腔内装置に有効な下顎位及び姿勢位の検討 |
口腔再建リハビリテーション学 |
・即時機能インプラント治療に関する研究 |
生体材料学 |
・接着現象の解明と改良 |
解剖学 |
・歯の発生の分子機構 |
生理学 |
・唾液分泌機構 |
分子情報生化学 |
・骨吸収および骨形成の分子機構の解明 |
口腔病態病理学 |
・前がん病変の診断精度向上を目指す臨床病理学的研究 |
感染分子生物学 |
・口腔内細菌の全身に及ぼす影響について |
口腔応用薬理学 |
・創薬の標的となる膜分子の細胞内輸送に関する研究 |
臨床疫学 |
・歯学領域における臨床疫学研究 |
地域健康開発歯学 |
・高齢者を対象とした口腔と全身の健康ならびにサルコペニアとの関連に関する疫学研究 |
総合内科学 |
・高齢者を対象とした口腔と全身の健康との関連に関する疫学研究 |
口腔機能発達学 |
・成長期の顎骨に関する研究 |
顎口腔機能矯正学 |
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歯科放射線学 |
・MRIによる顎関節疾患の診断に関する研究 |
顎顔面外科学 |
・悪性腫瘍と顎関節炎に対する遺伝子・薬剤導入療法の開発 |
口腔内科学 |
・薬剤関連顎骨壊死の病態解明・新規治療法の確立に関する研究 |
歯科侵襲制御学 |
・神経障害性疼痛による神経伝導への修飾に関する基礎研究 |
老年障害者歯科学 |
・摂食嚥下機能と口腔感覚およびリハビリテーションに関する研究 |
外科学 |
・抗癌剤耐性機構の解明に関する研究 |
口腔健康学 | ・歯科保健医療制度に関する研究 ・アディポカインの免疫学的機能の解明 ・生理活性脂質などを標的とする骨吸収性疾患および口腔粘膜疾患発症抑止の研究 ・LPSと糖尿病による動脈硬化の機序の解明 ・口腔内状況と全身状態との関係の解明 ・メインテナンス・STP患者の食習慣について ・高齢者における口腔機能と全身状態の関連 ・歯科衛生士のための国際的教育に関する研究 |
健康推進学 | ・視覚刺激に誘導される方向選択性舌運動課題遂行による前頭前野の活動 ・大学における初年次教育の充実に関する研究 ・歯科保健医療行政に関する研究 ・医療保険制度及び介護保険制度に関する研究 ・産業歯科保健制度に関する研究 |
- ※学科目(分野)名および研究内容は、変更になる場合があります。
修士課程(口腔保健学専攻)修業年限2年
主な研究内容
●保健所、市町村保健センター、学校、事業所等の地域歯科保健の現場や病院、高齢者施設等で歯科疾患や歯科保健管理の実態を把握し、地域の歯科保健上の健康課題を明らかにするための研究を行う。
●口腔疾患予防のための生涯を通じた口腔保健管理についての理論を学び、保健行動理論、医療コミュニケーション、運動障害・知的障害・身体障害者等における歯科衛生士としての実践的研究を行う。
●実験的手法により口腔硬組織・軟組織疾患の分子生物学的機序の解明を行う。
●メタボリックシンドロームなどのエネルギー代謝異常状態における免疫応答の変化について、特に各種アディポカインが免疫細胞に与える影響を、細胞分子生物学的手法および疫学的手法を用いた研究を行う。
●摂食行動に関わる情報の処理や統合、運動の発現や遂行、あるいは記憶や学習などにおける大脳皮質の役割について、ヒトを対象とした非侵襲的な方法による研究を行う。
●歯周病や残存歯数、咀嚼能などの口腔内の状況と動脈硬化や糖尿病などの全身の状況との関係を解明するため、地域住民の歯科・内科検診データベースを使った疫学研究や臨床および基礎研究を行う。(※)
●歯科衛生士が関わることの多い口内炎などの口腔疾患に対して、エビデンスに基づいた診断・治療・口腔ケアシステムの構築を行う。(※)
●口腔機能の向上および摂食・嚥下リハビリテーションについて、様々なフィールド・ライフステージ・ライフスタイルに応じた臨床学的な実践研究を行う。(※)
●食べる機能の発達・維持・回復、齲蝕予防、摂食・嚥下障害や要介護の原因となる生活習慣病の予防、口腔のトラブルによって起こりうる低栄養の防止など歯・口と全身の健康を保つために必要と思われる分子生物学的手法を用いた基礎研究と疫学的手法を用いた臨床または疫学的調査研究を行う。
●急性期・回復期・維持期の口腔管理に必要な思考過程と多職種連携に関する調査研究を行う。(※)
●口腔保健に関連した患者報告型アウトカムに関する研究
●人生の最終段階における医療に対する口腔機能管理の介入効果に関する研究を行う。(※)
- ※臨床系研究の履修に際しては、医療行為を伴うため医療系資格(歯科医師、歯科衛生士、看護師など)を必要とします。